2013・新潟酒の陣へ行ってきましたよ(2日目)


1日目はこのリンクをクリック。


春先の日本海側の天気の変りやすさを新潟市でも痛感した所で、旅館のある新発田市へ。

新発田市といえば初代藩主は溝口秀勝。昔の新潟県、特に北部の辺りは大なり小なり酷い湿地だったのですが、そういう場所を数百年前の段階で整備・城下町としても格式のある土地に生まれ変わらせたのがこの秀勝に代表される溝口氏と土地の方々であります。

さて、上のような長話を書く私ですが、今回は「酒の陣っていっても一時間ちょいで会場は出ちゃうわけで、どうせなら旅館とか一泊二日で決めてのんびりしましょうや」という旅のため、散策の時間は取ってあったものの、新発田市内で歴史探訪の予定は一切ありませんでした。

とった旅館は、『割烹旅館ますがた荘』(以下ますがたさん)です。近隣の月岡温泉も候補にはあがったのですが、男二人で酒を飲んだ後に泊まる旅館としては豪勢過ぎますので、料理を食べてゆっくりできれば後は適当でいいじゃないか、ということでこちらの旅館と相成りました。

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ところで旅館に詳しくない方は「割烹旅館」とそれ以外の違いがわからない場合が多いのですが、「割烹」はそのまんま料理のことです。古い言葉で、『割る』は「きる」、『烹る』は「にる」です。そして「割烹旅館」を名乗るには認可が必要です。

が、認可を受けているとはいえ板前さんが変わったりと同じ旅館でも味の具合はあてになりませんので、「割烹旅館だから安心」ではなく「割烹旅館か。なら料理についての評判を調べないとな」という風に考えたほうが間違いが少ないです。

余計な豆知識を披露したところで、ますがたさん。部屋に到着すると、白鳥の旅館という売り文句に違わず、渡り鳥が休める湖が窓の外に広がっておりました。既に夕方、天気も回復傾向だったとはいえぐずついていましたが、それがかえって落ち着いた雰囲気を醸し出していて、鴨の鳴き声に疲れがほぐれる思いでした。


そう、鴨です。「白鳥は?」と思われた方は鋭いです。この部屋の二人、白鳥のことをすっかり失念していました。ここが男二人の旅らしいところで、要するにいい加減です。女性は大体、こういう見どころは絶対に外しません。

夕食のときに仲居さんに「白鳥は見られましたか?」と言われましたが、時既に遅し。まあ鴨が可愛かったので問題ありません。悔しがるでもなく夕飯のことばかり男二人は考え始めます。

先にお風呂をいただきましたが、小さな銭湯の風呂と変わりません。しかし貸切にすることもできて、広さ以上の贅沢さがちゃんとありました。これなら男二人よりも、子供さん連れで来る方が有効活用できると思います。お子さんがお風呂の中で騒いでも他のお客さんへの迷惑を気にしないで浸かってられますからね。実際、同日に子供連れの方々が泊まっていましたが、楽しそうに過ごされているのを何度か見かけました。

さて、いよいよ料理ですが、村上牛のすき焼きの付いたコースで、これが大当たり。






持論として「旅館に泊まるなら肉はあった方が良い」というのがあります。というのも、旅行先って寿司とかの海産物を口にすることが多いんですよね。手軽で比較的あっさりしたものを好みます。それが旅館では食べたら寝るだけですので、しっかりしたものが食いたくなる。そこで肉の出番というわけです。

とにかく夕飯で大満足の後、私はちょっと熱っぽかったので、さっさと布団で就寝。夜中に起きだして男二人で「チューボーですよ!」を見たりしつつ、修学旅行のごとくくっちゃべってから、本格的に寝ました。

翌日、体調は万全で、再び駅前まで送ってもらいました。道中、年配のドライバーの方と酒蔵やら焼酎ブームやらについて盛り上がりましたが、県内ネタが多分に含まれていたので柚子桃さんは置いてきぼりでした。仕方ないね!

駅前に到着後、「目星を付けておいた和菓子屋他の資料写真を撮影しつつ散策」という予定に従い、二人でぶーらぶら。

その途中、「清水園はこちら」の看板が。清水園といえば新発田藩が整備した庭園で、結構有名です。他に回る所も思いつかなかったので、気の向くままに行ってみたら、これがまた、とても綺麗でびっくりしました。










いわゆる回遊式の庭園ですが、柵とか余計なものが少なめで、足元の水の流れを楽しみながら、飛び石を越えてゆっくりと回ることができました。老若男女問わず、ここはおすすめですね。卒業旅行と思しき大学生ぐらいの男女のグループもいたぐらいで。

それにしても、新発田市は鴨が沢山いますね。加茂市ならぬ鴨市だな、とかオヤジギャグを飛ばすぐらい、街中で鴨を見かけました。なにせ民家の用水路に当たり前のようにいますからね。清水園なんかは鴨の天国で、傍を歩いても悠々と湖面で遊んでいましたよ。

街中の用水路にて

清水園にて

一周し終えたところで、清水園に隣接している足軽長屋と武家屋敷も見て、気になっていた「枝豆大福」なるのぼりのある和菓子店に入ってみました。

足軽長屋
武家屋敷



「どうせ豆大福みたいなやつだろう」とかたかをくくっていたんですが、これが大間違い。下の一口かじった写真を見てください。



これですよ。この鮮やかな緑。甘いだけじゃなくて、外側もまたもっちもちで、「これ俺の知ってる大福じゃねえな!」と漫画みたいな台詞が出る始末。

今更のように店内をよく見てみると、新潟のローカル局のアナウンサーとかが食べてる写真が飾られていて、有名なお店だと知りました。金八先生の撮影もここらへんに来たとかで、当時撮影された写真が飾られておりました。


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土産に枝豆大福を購入して、新発田市での観光はおしまい。この後、新潟市に戻って飯を食ったりしましたが、そちらは雑多なものにしかなりませんので、割愛。

以上で二日間に渡る日程は終了、それぞれの帰途についたのでありました。

今回、旅館も良かったのですが、清水園については下調べをほとんどしていなかったこともあって、驚きも加わってたまらないものがありました。様式美はわからなくても庭を回ることを楽しめる、実にありがたい庭でした。新発田市にお寄りの際は、是非とも寄ってみることをおすすめします。三十分もあれば十分に堪能できますよ。

この清水園のことを書きたくて記事を二つに分けました。まだ書きたい気持ちはありますが、ここらで切り上げます。記事で触れた事柄について、少しでも興味を持ってくださる方がいれば幸いであります。

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